データと情熱、そして『幸せ(Feliz)』を届ける店へ。50歳からの買取業挑戦
何か自分で事業をやりたい。漠然とした想いを胸に、元手作りのために運送業に飛び込んで約20年が経ちました。常に「何かできることはないか」と模索していた日々。転機は、当時担当していたお客様の中に「おたからや」のオーナーさんがいらっしゃったことでした。
お客様から事業内容や収入面など、具体的な話を聞くうちに、「これだ!」と興味が湧きました。2021年、説明会に参加した際、その場で「やります」と即決しました。
加盟金も支払い、翌日の2月1日には20年勤めた会社に退職届を提出していました。
決断してからは本当に早かったですね。実はクリーニング業など他のフランチャイズも検討しましたが、当時46歳で、体力的なリスクも考え体に負担の少ない買取業を選びました。元々貴金属やブランド品が好きで、展示会に足を運ぶほどでしたので、そういった知識が活かせるかなという思いもありました。
2021年7月、春日町Feliz店をオープン。しかし、最初の3ヶ月は本当に厳しかったです。買取事業は初めてで、お客様は来ないし利益は薄い、赤字続き。「なんでだろう」と悩む日々で、正直、赤字が続くようなら閉店しようかとさえ考えていました。
転機は4ヶ月目。自分なりにデータを集め、チラシの配布エリアや部数、配布方法を徹底的に見直したんです。運送業時代に営業も経験していたので、その時の分析力が活きましたね。地域ごとに特色があるので、画一的なやり方ではダメだと気づき、試行錯誤を繰り返しました。すると、徐々に反響が出始め、4ヶ月目に一気に黒字化。そこからは一度も売上を落とすことなく、昨年はおかげさまで年商1億5000万円弱まで成長できました。リピーターさんが増えているのが大きな要因です。今も常にエリアや部数はデータを見ながら調整しています。数字とデータが全てですね。
広告はチラシに加え、自社ホームページ、LINE、Instagram、FacebookなどSNSも活用しています。SNSはGoogle評価にも繋がるので重要視しており、今ではSEOでもトップ3に入るようになりました。来店数は初年度の倍以上になり、お客様一人あたりの単価・利益も格段に向上しています。
近隣にも競合店は多いですが、負けないための差別化として、運送業時代の社是でもある「顧客第一主義」「責任と誠意」「地域社会への奉仕」という三つの柱を徹底しています。お客様のニーズに寄り添い、誠実に対応する。当たり前のことですが、これを徹底することで、お客様からの信頼を得られていると感じています。
4年目の挑戦。採用、多店舗展開、そして法人化へ
現在は私一人で運営していますが、開業から丸4年となり、私自身も今年50歳という節目を迎えることから、 新たなステージへ動き出そうと考えています。ようやく経営も安定し、足固めができてきましたから。まずは採用から。一般募集を開始し、地盤を固めながら人を増やし、多店舗展開を進めていきたいです。
ちなみに店名にある『Feliz』はスペイン語で「幸せ」を意味していて、将来多店舗展開をする上でもこの名前を冠していきたいと考えています。またそれに伴い、法人化も視野に入れています。今のの店舗運営をモデルケースとして、全国展開も考えてリサーチを進めています。さらに、長期的な視点として10年計画を掲げ、10年後には揺るぎない安定した企業へと成長させていきたいですね。 店舗の課題としては、もう少し店舗全体のイメージ作りも勉強していきたいです。
「楽しさ」が原動力。そして未来への想い
この仕事は、元々好きだった貴金属やブランド品に日々触れられるのが、何より楽しいですね。今所有しているロレックスや、最近、仕事用に小さなバーキンも買いました。
お客様がどんなお品物を持ってきてくださるか、毎日が新鮮です。特に、普段なかなか目にすることがないような金製品や、オーデマピゲ、パテック・フィリップといった高級時計に出会えると、やはり心が躍ります。
「おたからやフランチャイズ被害者の会」のブログについては存じています。
その方々も、ご自身の状況で最善を尽くされていたのかもしれません。しかし、フランチャイズであっても、事業を軌道に乗せるには経営の基本原則や地道な取り組みが欠かせません。こうした努力が不足していると、どんなビジネスモデルでも成功は難しいのではないでしょうか。そういった観点からは、状況を単純に外部の責任とする見方には、個人的に同意しにくい部分があります。
一方で私は、本部が過去の課題を乗り越えてきたからこその、今の強さがあるのだと理解しています。その基盤の上で、今後はより建設的な協力関係を築き、共に成功を目指していきたいです。
これから加盟を考える方へのアドバイスとしては、分からないことは積極的に質問し、情報を集めること。そして、得た情報を自分なりに分析し、試行錯誤しながら「自分のやり方」を見つけることが大切です。情報収集と数字の管理を徹底し、自分が正しいと思うことを貫く。それらを実践すれば、きっと道は開けるのではないでしょうか。
おたからや 春日町feliz店 オーナー
國分 和明
1993年~ 株式会社 IBC(棚卸代行業)勤務
2003年~ 佐川急便 株式会社 勤務
2021年~「おたからや」に加盟。現在、練馬区内で春日町feliz店を経営
1993年~
株式会社 IBC(棚卸代行業)勤務
2003年~
佐川急便 株式会社 勤務
2021年~「おたからや」に加盟。
現在、練馬区内で春日町feliz店を経営
インタビュー日:2025/03/14
インタビュアー:株式会社いーふらん
加盟店サポート営業部 SV 轟 昂至
広告戦略本部 広報 原 七海